私は地理や言語について興味があり、しばしばNHK教育テレビで放送されている言語番組を視聴している。
特に、言語別にして同じテーマで放送されている「旅するための〇〇語」を楽しんでいる。
(しかし、私はこれらの言語の知識は全くない)
ここで私は、新たな興味が沸いた。
どの言語が日本人にとって人気であるのか
そしてどの言語が資格として取得しやすいか(合格率が高いか)
である。
これをそれぞれの検定の直近のデータを元に比較していきたいと思う。
ドイツ語
Knowledge of German EU map.png: HernauManEU-United Kingdom.svg: NuclearVacuumderivative work: AlphathonTM(talk) - Knowledge of German EU map.pngEU-United Kingdom.svg, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11306025による
まずはドイツ語である。
ドイツ語はドイツ国内のみならず、オーストリア、スイス、ベルギー、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクでも公用語とされている。
また過去にはナミビア共和国がドイツ語を公用語としていた。
ここで面白いのはベルギーの公用語にもなっていることだ。
ベルギーでのドイツ語話者は1%を切っているが、過去にドイツから割譲された土地に住む人々の経緯があり、現在の公用語は3言語となっている。
(ベルギーの他の公用語はオランダ語とフランス語)
直近のドイツ語技能検定試験は2020年の冬季である。
出願者(人) | 合格率(%) | |
1級 | 191 | 15.75 |
準1級 | 434 | 26.27 |
2級 | 991 | 59.87 |
3級 | 1,431 | 64.03 |
4級 | 1,256 | 75.26 |
5級 | 561 | 97.22 |
2020年の合計出願者数は4,864人となった。
そして5級の合格率97%超えは驚異的な数字である。
今年の検定はコロナウイルス流行中に行われたものであり、出願者数は少ない傾向にあると考える。
ちなみに、流行以前2019年の出願者数は
1級 246人
準1級 612人
2級 1,235人
3級 2,195人
4級 2,450人
5級 828人
合計 7,566人
しかしドイツ語技能検定試験の出願者は、データの存在する2004年から年々減少傾向にある。
スペイン語
User:Bnwwf91 made this photo to show the difference in the names given to the Spanish Language - English Wikipedia en:Image:Castellano-Español.png, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1729645による
次に、スペイン語である。
スペイン語は国連の公用語であり、スペイン、メキシコ、コロンビアなどの多くの中南米諸国の公用語となっている。
さらにアメリカでは移民の影響で多く話されており、地域によっては英語よりもスペイン語話者が多い都市もあるくらいだ。
スペイン語はフランス語と同様に多くの国で話されている言語なのだが、スペイン語話者に関してはほとんどの人が第一言語としていることろだ。
ここで残念なことに、スペイン語技能検定の公式からは数字が発表されていなかった。
私の体感なのだが、この4言語の中でスペイン語がフランス語に次ぐ人気のある言語ではないかと感じている。
根拠として日本国内の大型書店に行った際、大抵この4言語の中でフランス語の書籍が一番多くその次にスペイン語の書籍が多いからである。
よってドイツ語学習者より多くフランス語学習者より少ないとして、範囲は広いが5,000~10,000人としておく。
イタリア語
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3つ目はイタリア語だ。
イタリア語はイタリア、サンマリノ、スイスの公用語に指定されている。
イタリア語はドイツ語、スペイン語、フランス語と比べてそれほど多くの国で話されているわけではない。
しかし、イタリア語圏の魅力はさまざまなものであり、ファッションや車、それから歴史を感じる建造物などである。
イタリアは、世界遺産の登録数が中国と同率で、世界一位である。
国土面積について
イタリア 301,300km2
中国 9,597,000km2
でありその差は約32倍にもなる。
中国と比べ国土面積が32分の1でありながら、世界遺産登録数が同じだとはとても想像がつかない。
今回は最新の試験において1級と2級のデータがなかったため2020年10月に開催されたものを参考にする。
出願者(人) | 合格率(%) | |
1級 | 75 | 11.3 |
2級 | 133 | 21.1 |
準2級 | 305 | 33.3 |
3級 | 575 | 31.7 |
4級 | 761 | 43.1 |
5級 | 540 | 68.4 |
2020年の合計出願者は2,389人という結果になった。
イタリア語学習者はドイツ語学習者の約半数という結果になった。
ここでもコロナウイルス流行前の2019年に開催された検定の出願者数を見ると
1級 136人
2級 285人
準2級 275人
3級 515人
4級 614人
5級 441人
合計 2266人
なんとイタリア語はドイツ語と異なり、ほとんど出願者数が変わらない結果となった。
フランス語
CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=916284
最後にフランス語だ。
フランス語は多くの国で話されており国連の公用語に指定されている。
ヨーロッパではフランス、ベルギー、スイスなどの国があげられる。
が、実はイメージとは違いフランス語はアフリカ大陸で多く話されている。
アフリカで公用語に指定されている国は22カ国も存在する。
しかしアフリカの国々は現地の言葉を第一言語としている場合がほとんどだ。
よって公用語で定められてはいるが、フランス語流暢に話せない人々が多い。
直近の実用フランス語技能検定試験は2020年秋季に行われたものである。
出願者数(人) | 合格率(%) | |
1級 | 403 | 14.6 |
準1級 | 889 | 21.9 |
2級 | 1,427 | 32.3 |
準2級 | 1,548 | 56.1 |
3級 | 2,717 | 63.0 |
4級 | 2,300 | 80.1 |
5級 | 1,989 | 85.4 |
2020年の合計出願者数は11,273人という結果になった。
2019年秋季開催の検定出願者数を確認すると
1級 638人(1級は春季開催)
準1級 1,209人
2級 1,618人
準2級 1,721人
3級 3,399人
4級 3,235人
5級 2,470人
合計 14,290人
フランス語はドイツ語ほどではないが、2011年以降の出願者数が徐々に減少している。
まとめ
データ(一部主観)から人気度について
1フランス語
2スペイン語
3ドイツ語
4イタリア語
資格としての取得しやすさ
1ドイツ語
2フランス語
3イタリア語
?スペイン語
ちなみに日本語能力試験の一番簡単なランクである「N5」の合格率は56.0%
それに比べればこの4言語は初級合格率が高いので取得しやすいであろう。
(高難易度に関しては、日本語能力試験の合格率45.2%もある)
もちろん、少ない勉強時間で合格できるわけではないのでこれは一つの目安として欲しい。
スペイン語に関して、データがなかったので比較としては不十分なのが悔やまれる。
公式な数字が発表されたら改めて比較して学習の検討に入れたい。